こんにちは。画家のムライです。
写真を見ながら絵を描いていると、できるだけ写真どおりに描こうとしてしまうことがあります。
しかし、写真の細部をすべて再現したからといって、必ずしも魅力的な作品になるとは限りません。
絵では、必要のない部分を省略したり、印象に残った部分を強調したりできます。
今回は、写真の模写から一歩進み、自分らしい作品に仕上げるための考え方を紹介します。
写真をそのまま描く必要はない
写真には、建物や木、看板、人、車など、多くの情報が写っています。
それらをすべて同じ細かさで描くと、画面がにぎやかになりすぎて、何を見せたい絵なのか分かりにくくなることがあります。
絵を描く前に、まず次のことを考えてみましょう。
・この写真のどこにひかれたのか
・一番見せたいものは何か
・どのような雰囲気にしたいのか
写真を正確に写すことよりも、自分が感じた印象を残すことが大切です。
1.最初に絵の主役を決める
写真どおりに描かないためには、最初に作品の主役を決めます。
例えば花の絵であれば、花の色を見せたいのか、花びらの形を見せたいのか、花瓶に当たる光を見せたいのかを考えます。
主役が決まれば、どこを丁寧に描き、どこを省略するかが分かりやすくなります。
主役は、一つに絞るのがおすすめです。
2.主役以外の情報を省略する
省略は、手を抜くことではなく、
作品に必要なものを選び、画面を整理するための表現です。
木は、葉を一枚ずつ描かず、大きな色のまとまりとして描く方法があります。
背景の人や車、看板なども、作品の主題に関係がなければ省いて構いません。
細部ではなく、大きな形や明暗を意識してみましょう。
3.印象に残った部分を強調する
省略と合わせて使いたいのが、強調です。
夕焼けが印象的であれば、赤やオレンジを実際より鮮やかにしてもよいでしょう。
光を見せたい場合は、明るい部分と暗い部分の差を大きくします。
花の大きさが魅力なら、実物より少し大きく描く方法もあります。
見せたい部分を強くし、それ以外を抑えることがポイントです。
4.色を写真から変えてみる
写真に写っている色を、そのまま使う必要はありません。
作品の雰囲気に合わせて色を変えることで、自分らしさを出せます。
明るい雰囲気にしたい場合は、白や明るい青を多く使います。
落ち着いた雰囲気にしたい場合は、茶色やグレーを混ぜて彩度を抑えます。
温かい印象にしたい場合は、赤やオレンジ、黄色を増やします。
大切なのは、写真と同じ色を作ることではなく、作品全体の色を調和させることです。
5.構図を少し変えてみる
写真の構図が、そのまま絵に向いているとは限りません。
主役が小さく写っている場合は、絵の中で少し大きくしても構いません。
風景画では空を広くしたり、静物画ではモチーフの間隔を変えたりすることで、画面が見やすくなります。
写真は設計図ではなく、あくまで参考資料として考えましょう。
6.写真と見比べすぎない
写真と作品を何度も見比べると、少し違うだけで修正したくなります。
しかし、写真に近づけすぎると、自分らしい筆跡や色まで消してしまうことがあります。
下描きや大きな形を決めるときは写真を参考にし、後半は作品全体のバランスを見ながら仕上げましょう。
実物と少し違っていても、作品の中で自然に見えていれば問題ありません。
7.小さな作品で練習する
省略と強調を練習するときは、小さな紙やキャンバスを使うのがおすすめです。
同じ写真を使い、描き方を変えて数枚描いてみましょう。
例えば、1枚目は色を写真に近づけ、2枚目は色数を減らします。
3枚目は主役を大きくし、背景を大胆に省略します。
短時間で描くことで、細部にこだわりすぎず、大きな形や色を意識できるようになります。
まとめ
写真を参考にして絵を描くときは、すべてを正確に再現する必要はありません。
最初に主役を決め、必要のない情報を省略し、印象に残った色や形、光を強調してみましょう。
色を変えたり、構図を整えたり、輪郭に強弱をつけたりすることも、絵だからこそできる表現です。
写真を写すことから一歩離れることで、作品作りはより自由で楽しいものになります。
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