パレットナイフで描く風景画のコツとテクニック

こんにちは。画家のムライです。

パレットナイフで描く風景画には、筆で描く作品とは異なる力強さがあります。

絵の具を厚く重ねたり、ナイフを動かした跡を残したりすることで、
雲の厚みや山の岩肌、風に揺れる草などを印象的に表現できます。

今回は、私がパレットナイフで風景画を描くときに意識している4つのコツとテクニックをご紹介します。

 

複数の白を使って雲に立体感を出す

雲を描くときは、一種類の白だけで仕上げるよりも、
質感の異なる複数の白を使うことで、立体感を表現しやすくなります。

白はどれも同じように見えますが、絵の具の種類によって透明感やツヤ、発色の強さが異なります。

私はアクリル絵の具を使っているため、雲を描く際には次の2種類の白を使いました。

・白のアクリル絵の具
・白のアクリルガッシュ

アクリル絵の具の白には、少しツヤや透明感があります。

一方、アクリルガッシュの白はマットで隠ぺい力が高く、はっきりとした明るさを出しやすいのが特徴です。

複数の白を完全に混ぜず、部分的に重ねることがポイントです。

さらに、雲の下側へ少量の青や紫、灰色を加えると、明るい部分との対比が生まれ、より立体的に見せられます。

 

ナイフの跡を残して自然の動きを表現する

パレットナイフで描くときは、画面をきれいにならしすぎず、ナイフを動かした跡を残すことも大切です。

ナイフの跡は、風や波、雲の流れなど、自然が持つ動きを表現してくれます。

たとえば、空ではナイフを横方向や斜め方向へ動かすことで、雲が流れているような印象を作れます。

水面には短い横向きの跡を重ねると、波や光の揺らぎを表現できます。

草原を描く場合は、ナイフの先端や角を斜め上へ動かすことで、風に揺れる草のような動きが生まれます。

一度の動きでできた形をすべて修正しようとせず、偶然できた跡も作品の一部として生かしてみましょう。

ナイフを動かす方向を、描く自然物の流れに合わせることがポイントです。

 

細部を描き込みすぎず大胆に表現する

パレットナイフで風景画を描くときは、細かい部分を描き込みすぎない方が、道具の特徴を生かせます。

木の葉を一枚ずつ描いたり、草を一本ずつ描いたりする必要はありません。

木は葉の集まりを大きな塊として捉え、濃い色の上へ明るい色を部分的に重ねるだけでも表現できます。

山や岩も、細かな模様を正確に描くのではなく、明るい面と暗い面を大きく分けることで立体的に見せられます。

写真を参考にする場合も、写っているものをすべて描く必要はありません。

主役となる木や山、建物などを決め、それ以外の部分は形を簡略化したり、省略したりします。

細部を描き込みすぎると、作品全体が窮屈に見えたり、どこを見せたいのか分かりにくくなったりします。

少し離れた場所から作品を眺め、全体の色や形が伝わっていれば、細かな部分まで描かなくても十分です。

ナイフで置いた絵の具の形や大胆な動きを残すことで、パレットナイフらしい力強い風景画になります。

 

厚塗りで目立たせたい部分に立体感を出す

絵の具を厚く置くことも、パレットナイフならではのテクニックです。

特に品の主役となる部分、目立たせたい部分へ厚く絵の具を重ねると、
実際に画面へ凹凸ができ、光の当たり方にも変化が生まれます。

たとえば、次のような部分に厚塗りを使えます。

・雲の明るい部分
・山や岩に光が当たる部分
・手前にある木の葉や草
・水面で強く反射している光
・作品の主役となる部分

画面全体を同じ厚さで塗るのではなく、背景は比較的薄く、
手前や主役を厚くすると、奥行きを出しやすくなります。

絵の具を厚く置くときは、ナイフを強く押し付けず、画面の表面へそっと置くように動かします。

厚塗りは画面に立体感を加えるだけでなく、鑑賞する人の視線を集める効果もあります。

 

まとめ

パレットナイフで描く風景画では、絵の具の質感やナイフの動きを、そのまま作品の表現として生かせます。

細部を整えすぎず、偶然できた形や色の重なりを残すことで、筆とは異なる力強い画面になります。

すべての部分を厚く描こうとせず、見せたい場所を意識しながら、自分らしい風景画を楽しんでみてください。

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